こんにちは、元ハンマー投選手のトッシュです。
イケメンで、イタリア人で、ハンマー投げ選手といえば、、、
皆さんもうお分かりですね?
そうです。
ニコラ・ビッツオーニ(Nicola Vizzoni)選手です。
ハンマーを投げた後の叫び声が大きいのでも有名ですね。
下の3つの動画で、歳を重ねるごとにダンディになっていく様子をご覧ください。
ニコラ・ビッツオーニ選手
シドニーオリンピックで銀メダルを決めた投擲(とうてき)の動画。
当時26歳。
画質が悪いのが少々残念ですが、それでも十分にかっこいい。
ハンマーを投げた後の叫び声も、まるでオペラ歌手を思わせるような美声。
2010年のヨーロッパ選手権で、こちらも銀メダルを決めた投擲(とうてき)の動画。
この時、なんと、36歳!!!
体力的にはピークを過ぎているのでしょうが、世界の第一線で活躍できるのは、ハンマー投げが技術要素が高い種目だからです。
他の投擲競技(砲丸投げ、円盤投げ、やり投げ)で、35歳を過ぎて第一線で活躍している選手を私はほとんど知りません。
とても大事なことですが、きちんとセットされたあごひげがチャーミングですね。
2014年のヨーロッパ選手権の予選ラウンドでの投擲(とうてき)の動画。
40歳。。。それでいて現役。そして、このダンディさ。
欧米の人の銀髪ってなんかズルい、と思うのは私だけでしょうか?
日本人が銀髪だと、なんだか老けてみえるだけなのに。
ハンマー投に欠かせないアイテム
■ハンマー
一般男子用(16ポンド=約7kg)
ダグタイル製とタングステン製がありますが、タングステン製が圧倒的に人気です。
少しでも遠くに投げたいのが選手の性。1cmで順位が変わったりすることもありますから。
重さは同じですが、タングステン製のほうが体積が小さいのでハンマーが飛んでいくときの空気抵抗が小さく、少しでも遠くに投げたい選手は何が何でもタングステン製を選びます。
■ハンマー投用のシューズ
私は、アシックス、ミズノ、ナイキ、アディダスのシューズを履いたことがあります。
足に合うのも大事ですが、私はサークル(ハンマーを投げる直径約2mコンクリートの円)と靴の裏との相性も大事だと思っています。私は相性が悪いサークルだと全然本来の実力を発揮できませんでした。
■ハンマー投専用のグローブ
かなりの消耗品ですが、なかなかのお値段。汗や雨で塗れると皮が固くなってしまって、使い物にならなくなってしまうことも少なくありません。私は包帯を指に巻いて投げてました。
■ピアノ線
えっ?なんでハンマー投げにピアノ線と思われるかもしれませんが、
ハンマーの先にある鉄球とハンドルをつないでいるのは、チェーンではありません。ピアノ線です。
豆知識として知っておきましょう。
■ハンマー投げ、円盤投げ用の囲い
選手時代は、ゲージと呼んだり、鳥かごと呼んでいました。
ハンマー投げを始めたての頃は、本当にどこに飛んでいくか分からない。回っているうちに自分がどの方向に進んでいるのか分からなくなってしまう。
また、ハンマーを投げようとしているときに、ピアノ線が突然切れてしまって、想像もつかないところに飛んでいってしまうこともあります。
ハンマー投げで知っておいてほしいたった1つのこと
ハンマー投げを多くの人に広めてほしいというのではありません。
ハンマー投げの事故が無くなってほしいと願っています。
ハンマー投げで死なない!死なせない!
1年か2年に1人、投げられたハンマーが近くの人に当たって死亡する事故が後を絶ちません。
私も高校生のときに1度ヒヤッとしたことがあります。思い出すと今でもゾッとします。
ここでは、
- ハンマーを投げる人
- 指導者
- ハンマーを投げている人の近くにいる人
に知っておいてもらいたいこと、注意してもらいたいことを紹介します。
ハンマーを投げる人が注意すること
- 囲いの中から投げる。
- 囲いが無い場合は、自分の周りに人がいないことを確認する。
- 自分は変な方向に投げるわけがないとかいう謎の自信は捨てる。
- ハンマーを投げる前に大きな声を掛けて周りの人に注意喚起する(※)。
- 道具を手入れする(古くなったピアノ線は交換する)。
※日本人がハンマーを投げている動画をみると、ハンマーを投げる前に
「いきまーす!」 や、
「はい、ハンマー!」 や、
「ハンマーいきまーす!」 と、
声をあげているのを見かけることがあるはずです。
指導者が注意すること
- 上のことを選手に徹底させる。
- 周りに人がいない練習環境(場所や時間)をつくる。
- うちの選手は変な方向に投げないとかいう謎の信頼は捨てる。
ハンマー投げをやったことが無い人が、選手を指導することも少なくありません。
指導者がハンマー投げに関する安全対策を知ることで、ハンマー投事故ゼロにつながれば嬉しいです。
周りの人が注意すること
- 近くにハンマーを投げている人がいたら、近づかない。
- 近くにハンマーを投げている人がいたら、気にかけておく。
- 注意喚起の声が聞こえたら、ハンマーを投げている人のほうに注意を向ける。
囲いが無い場所でハンマーを投げている人がいた場合、周りの人が取れる一番の安全対策は、
とにかく近づかないことです。
ハンマーを投げているのが友達で声を掛けたい、ハンマー投げを近くで見てみたい、そんな気持ちも分かりますが、命を守るためにも、被害者にならないためにも、加害者にさせないためにも、絶対に近付かないでください。
ハンマー投げ事故ゼロ!
ハンマー投げで死なない!死なせない!
最後までお読みいただきありがとうございます。
「ちょっと良かったよ」
「ちょっと面白かったよ」
「ちょっとタメになったよ」
と思っていただけたら嬉しいです。
それでは、、、
\手間を楽しもう/
コメント