こんにちは、元ハンマー投選手のトッシュです。
スロベニア人っていうのがもう答え言っちゃってるようなもんですね。
皆さんもうお分かりですね?
そうです。
プリモジュ・コズムス(Primoz Kozmus)選手です。
北京オリンピックやベルリン世界陸上で堂々の金メダルを獲得している実力者です。
プリモジュ・コズムス選手
2003年パリ世界陸上のときの映像。
この時、23歳。
この若さでこの投擲(とうてき)!
とんでもない選手が出てきたなと驚いたのを今でも鮮明に覚えています。
そして他の選手と比べて体型がシュッとしているせいか、余計にかっこよく思えました。
2009年ベルリン世界陸上で金メダルを決めた投擲(とうてき)の動画。
この時、29歳。
画質が悪いのが少々残念ですが、十分カッコイイ。
すでに金メダルが決まっている最終投擲で、さらに記録を伸ばすというのもカッコイイ。
7・3分けでこんなにカッコイイ人を私は知りません。
2013年モスクワ世界陸上での、インタビューの動画。
この時、36歳!!!
鼻、たっか!!!
笑顔がめっちゃ素敵です。優しい声色になんか癒されます。
最後に、実はこのコズムス選手、Youtubeチャンネルを持っているんです!
コズムス選手の投擲だけではなく、貴重な筋トレの様子も観られます。
ちなみに上の動画は、170kgでのパワークリーン。
ハンマー投に欠かせないアイテム
■ハンマー
一般男子用(16ポンド=約7kg)
ダグタイル製とタングステン製がありますが、タングステン製が圧倒的に人気です。
少しでも遠くに投げたいのが選手の性。1cmで順位が変わったりすることもありますから。
重さは同じですが、タングステン製のほうが体積が小さいのでハンマーが飛んでいくときの空気抵抗が小さく、少しでも遠くに投げたい選手は何が何でもタングステン製を選びます。
■ハンマー投用のシューズ
私は、アシックス、ミズノ、ナイキ、アディダスのシューズを履いたことがあります。
足に合うのも大事ですが、私はサークル(ハンマーを投げる直径約2mコンクリートの円)と靴の裏との相性も大事だと思っています。私は相性が悪いサークルだと全然本来の実力を発揮できませんでした。
■ハンマー投専用のグローブ
かなりの消耗品ですが、なかなかのお値段。汗や雨で塗れると皮が固くなってしまって、使い物にならなくなってしまうことも少なくありません。私は包帯を指に巻いて投げてました。
■ピアノ線
えっ?なんでハンマー投げにピアノ線と思われるかもしれませんが、
ハンマーの先にある鉄球とハンドルをつないでいるのは、チェーンではありません。ピアノ線です。
豆知識として知っておきましょう。
■ハンマー投げ、円盤投げ用の囲い
選手時代は、ゲージと呼んだり、鳥かごと呼んでいました。
ハンマー投げを始めたての頃は、本当にどこに飛んでいくか分からない。回っているうちに自分がどの方向に進んでいるのか分からなくなってしまう。
また、ハンマーを投げようとしているときに、ピアノ線が突然切れてしまって、想像もつかないところに飛んでいってしまうこともあります。
ハンマー投げは嫌われもの?
陸上競技のハンマー投げだけ別会場というのはよくある話。
さすがに世界陸上やオリンピックでは聞いたことがないですが、
私が大学生で選手時代、
ハンマー投げ以外の種目は国立競技場で、
ハンマー投げは日大(日本大学)グラウンド とか、
ハンマー投げ以外の種目は横浜国立競技場(日産スタジアム)のメインスタジアムで、
ハンマー投げはサブ競技場 とか、
そういうのはザラにありました。
決勝(予選を通過した8人)まで残れれば、メインスタジアムで投げられるという場合もありましたが。
理由は簡単、ハンマー投げの映像をよくよくみてみると、
投げられたハンマーが競技場の芝生の中にズボッ!と突き刺さったり、芝生を削り取っていったりするのが分かると思います。
そのハンマーによって傷つけられた芝生を補修するのに、
国立競技場1穴約3000円、横浜国立競技場約1穴1800円、
と聞いたことがあります。本当かどうかは分からないのですが、選手間で話題にしてました。
仮に国立競技場で選手が8人いたとして、練習投擲2投、本番6投とすると、
8人×8投×3000円=19万2000円
芝生の補修に約20万円。。。
そりゃ運営者側からしたら結構な痛手ですよね。
お金が取れて、観客がドンドン入る試合ならまだしも・・・ですよね。
ハンマー投だけが別会場を準備されるのもうなずけます。
ハンマー投げで伝えたいたった1つのこと
ハンマー投げを多くの人に広めてほしいというのではありません。
ハンマー投げの事故が無くなってほしいと願っています。
ハンマー投げで死なない!死なせない!
1年か2年に1人、投げられたハンマーが近くの人に当たって死亡する事故が後を絶ちません。
私も高校生のときに1度ヒヤッとしたことがあります。思い出すと今でもゾッとします。
ここでは、
- ハンマーを投げる人
- 指導者
- ハンマーを投げている人の近くにいる人
に知っておいてもらいたいこと、注意してもらいたいことを紹介します。
ハンマーを投げる人が注意すること
- 囲いの中から投げる。
- 囲いが無い場合は、自分の周りに人がいないことを確認する。
- 自分は変な方向に投げるわけがないとかいう謎の自信は捨てる。
- ハンマーを投げる前に大きな声を掛けて周りの人に注意喚起する(※)。
- 道具を手入れする(古くなったピアノ線は交換する)。
※日本人がハンマーを投げている動画をみると、ハンマーを投げる前に
「いきまーす!」 や、
「はい、ハンマー!」 や、
「ハンマーいきまーす!」 と、
声をあげているのを見かけることがあるはずです。
指導者が注意すること
- 上のことを選手に徹底させる。
- 周りに人がいない練習環境(場所や時間)をつくる。
- うちの選手は変な方向に投げないとかいう謎の信頼は捨てる。
ハンマー投げをやったことが無い人が、選手を指導することも少なくありません。
指導者がハンマー投げに関する安全対策を知ることで、ハンマー投事故ゼロにつながれば嬉しいです。
周りの人が注意すること
- 近くにハンマーを投げている人がいたら、近づかない。
- 近くにハンマーを投げている人がいたら、気にかけておく。
- 注意喚起の声が聞こえたら、ハンマーを投げている人のほうに注意を向ける。
囲いが無い場所でハンマーを投げている人がいた場合、周りの人が取れる一番の安全対策は、
とにかく近づかないことです。
ハンマーを投げているのが友達で声を掛けたい、ハンマー投げを近くで見てみたい、そんな気持ちも分かりますが、命を守るためにも、被害者にならないためにも、加害者にさせないためにも、絶対に近付かないでください。
ハンマー投げ事故ゼロ!
ハンマー投げで死なない!死なせない!
最後までお読みいただきありがとうございます。
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「ちょっと面白かったよ」
「ちょっとタメになったよ」
と思っていただけたら嬉しいです。
それでは、、、
\手間を楽しもう/
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